05. Trip

麦酒と音楽の志賀高原

IMG_42355年ぶりに訪れた志賀高原。

週末はSnow Monky Beer Live 2016のハーヴェストムーンブースにおりました。

飲んだ麦酒、聴いた音楽、スタッフの想い、人々の熱気、友人との時間、、、

(そして20年ぶりのスキーも)

たくさんの刺激を受け、貴重な経験をして、非日常を楽しみました。

久々に参加したクラフトビールイベントが終わり、

自分の中にある想いが灯ったのでした。

「旅」の一年 其の4「ホーチミン」

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22nd Mar, 2015@Ho Chi Minh City, Vietnam

フランスの文化とアジアの混沌とした雰囲気が入り混じるベトナム・ホーチミンシティ。バイクの波が押し寄せる大通りを信号なしで渡る経験はなかなかスリリング。「ここ渡るの!?」みたいな。

朝から333(ビールの銘柄、バーバーバーと読みます)を飲んでほろ酔いの観光客には厳しいものがありました。

チェコ風ブルワリー&ビアホールのGammer Beerのピルスナーはなかなか美味しかったです。

「旅」の一年 其の3「名古屋」

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5th Mar, 2015@Y Market Brewing, Nagoya

今年初めて訪れた名古屋へは、樽生ビールについての講演で計2回向かいました。熱い想いでビールを届けてくれる酒屋さんがあってこそ、美味しいビールが提供できます。ビールの「注ぎ方」は美味しいビールのための一つの要素でしかないのです。

新しい仲間の皆さんにアテンドしてもらい、ビール三昧な名古屋の夜を過ごしたことは言うまでもありません。クラフトビール屋も数軒できていて、Y Market にも寄りました。おしゃれで賑わいのある店内にオリジナリティのあるビールの数々を楽しみました。

来年も行けたらいいなあ。

そうえば、この時名古屋です⚪︎ざんまいの社長に遭遇しました。

「旅」の一年 其の2「ソウル」

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15th Feb, 2015@Seoul, South Korea

今まで欧米に行くことが多かったサトウですが、今年はアジアや西日本にも訪れました。

初めての韓国・ソウル。梨泰院でクラフトビールも色々と飲みましたが、韓国人たちからはドミノ式にソジュ(韓国焼酎)をビールに落とすバクダン酒で歓迎を受けました。

「旅」の一年 其の1「札幌」

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2nd Jan, 2015@Sapporo

年末恒例である今年の漢字は「安」だったそうですが、僕個人でいうと2015年は「旅」の一年でした。国内外の様々な土地を訪れた旅を振り返りつつ、今年一年をまとめたいと思います。

札幌出身のサトウは、シンガポールから訪れた友人や札幌の仲間達と充実した故郷の正月を過ごし、2015年をスタートしました。(あれから一年かあ。。。はやっ)

長い間、札幌のクラフトビールシーンを盛り上げたHIGURASHIは残念ながら昨年いっぱいで閉店してしまいましたが、オーナーのご厚意で最期にこの空間を皆で楽しみました。美味しいオレゴンのビールとともに。

魂はこちらに引き継いでます!近づいてきた2016年の正月ももちろん伺いたいと思ってます。(やってればね)

Beer Cellar Sapporo

https://www.facebook.com/beercellarsapporo

 

SahmグラスとNostalgieタップ

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ピルゼンアレイでは、いま自分が考え得る理想のスーパードライを目指しました。

グラスは先日訪れたザルツブルクのTrumer Pils を参考に、細長いストレート型で若干小ぶりな0.35ℓ程度のビアグラスをドイツSahm社のラインナップからチョイスし輸入しています。実験的にBBBで試していますが、スーパードライとの相性もよく、個人的には満足です。(グラスの形状は好き嫌いありますけど)

そしてタップ(ビールサーバーの蛇口部分)に関しては、店のテーマでもあるチェコのものを使用します。おそらくグラスもタップも日本初登場のはず。。。

チェコではハンドルを横に回転させるタイプのタップをよく見かけます。というか僕が飲みに行くところはほとんどこのタップ。「ノスタルジー」と呼ばれるそのタップを今回は特別に輸入してもらいました。まだビールは通してないので、注いだ感想を述べるのは少しお預けですが、今から楽しみでなりません。

ミュンヘンの淡色ラガーあれこれ

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BBBで「いつ帰ってきたの?」とよく聞かれます。

更新せずにスイマセン。。。先週火曜日に帰国したら玉手箱状態で、時は一週間進んでおり、新店舗の工事も佳境。追加工事などの打合せをして、保健所に行って、電話番号取得して、ウェブサイト作製の打合せして、特注の冷蔵庫の話も、ドラフトタワーにつけるタップの話も、、、ギリギリです(汗)

さて、旅の話が止まっておりましたが、最後に訪れたミュンヘンで飲んだビールのことを少し振り返っておきたいと思います。

今回は、ピルスナーに的を絞って、8年ぶりにドイツとチェコ+初めてのオーストリアを周りましたが、ミュンヘンに行った時にピルスナーを頼もうとすると、ちょっと迷いがあります。。。ヘレス、ピルス、エクスポート、ケラービア。。。

日本ではあまりビールスタイルの概念がなく、「ビール=金色でピリピリした苦い酒」というイメージが定着しています。あえて言うなら価格帯やどっしりとしたボディ感の違いでスタンダードビールとプレミアムビールなんて分け方をしたりしてますよね。

その基準をミュンヘンのビールに当てはめようとすると、ライトでホップ香を抑えたスーパードライのスタイルはヘレス?爽やかなホップ香がある一番搾りはピルス??なんてことを思ったりします。

まあ、違う物差しで物事を考えてもあまり意味はないんですけど、この旅で改めて、本場ドイツのラガーに対する考え方に興味を持ち、それをできる限り理解した上で、日本のビール(ピルスナー?)を考えたいと感じたのです。

 

簡単にまとめると。。。

ヘレス(Helles)・・・「明るい、淡い色の」という意味の「Hell」からきてます。ボディは軽く、ホップの特徴である爽やかな香りと苦みが弱く、モルトの香りや甘みが引き立つ。ミュンヘンではピルスよりもこっちがスタンダードですね。

ピルス(Pils)・・・「ドイツで造ってるのにピルスナー(チェコ・ピルゼンの、という意味)かよ!」と言ったか言わないかはわかりませんが、ドイツでもミュンヘンを中心としたバイエルンではピルスナーではなくピルスと言います。ホップ香がしっかりしている点は元祖チェコ産と同じですが、ホップの品種はチェコのザーツと違いハラタウがメインなので印象も変わります。ジャーマンピルス(ナー)と言ったりもしますね。

エクスポート/ドルトムンター(Export/Dortmunder )・・・アウグスティーナのエーデルストフ (写真)はこのスタイル、強めのアルコール度数としっかりとしたモルトのボディが特徴。

ケラービア(Kellerbier)・・・濾過をせずにKeller(貯蔵庫)からだしてきたままのビール。酵母が残り独特のコクと香りがあります。醸造所所有のレストランなど飲める場所は限られ、新鮮だからこそ楽しめます。

っとこんなことをウダウダ考えたりしてたら一週間過ぎたわけです。

www.beerboulevard.com

雨あがりのピルゼン

昨晩から続く雨のプラハを後にして、最終目的地であるドイツ・ミュンヘンへ向かいます。

その途中、プラハから1時間半ほどのところに「ピルゼン」という町があります。

ビールの世界において、あまりに有名なこのチェコの町で途中下車をして、ピルスナーウルケル醸造所へ立ち寄りました。

ビールの種類は数あれど、世界で飲まれているビールのうち、大半は黄金色でピリピリしているラガー≒ピルスナーです。

ピルスナー(Pilsner, Pils)とヘレス(Helles)の違い?コーンやライスを副原料として使ってる?・・・みたいな細かい話は抜きにして、それぞれの地域の気候風土、収穫される原料、嗜好やトレンドに合わせて様々な黄金色(正しくは淡色という)のラガーが造られてきました。

そんな世界を席巻した黄金色のビール、ピルスナーを生んだのがこのチェコにある町・ピルゼンなのです。19世紀半ばのことですから、2000年ほどの長いビールの歴史を考えると、極々最近の話と言っても過言ではないでしょう。

逆を言えばそれまでは、麦芽の乾燥技術が確立されておらず、麦芽を火で煎って乾燥させていたため、濃い色合いに焙煎されてしまい、すべてのビールがダークビールでした。ようやく黄金のビールが登場したのが1842年だったというわけです。

チェコ、プラハ、そして黄金ビール発祥の地、ここピルゼンへの想いをさらに強くして、丸いジョッキを一気に傾けた私は、雨あがりのピルゼン駅から最終目的地・ミュンヘンへ向け、さらに5時間の電車の旅を続けました。IMG_3568

追記:ちなみにピルゼン, Pilsenってドイツ語表記(読み)で、チェコ語ではプルゼニュ, Plzeň。ピルスナーウルケル, Pilsner Urquellもドイツ語で、チェコ語だとプルゼニュスキープラズドロイ, Plzeňský Prazdroj 。意味は「ピルスナーの元祖、源泉」だそうです。

サトウ注ぎの原点

サトウ注ぎ(つぎ)なんてたいそうな名前ついたもんだなと思ってますが、その原点はここプラハにあります。

言わずと知れたピルスナーウルケルの有名店「U Zlateho Tygra (ウ ズラテーホ ティグラ = 黄金の虎)」に8年ぶりに戻ってきました。気がつけばこれまでに世界数十の国や地域を旅してきましたが、また来たい!必ず戻ってこよう!と思わせられたのは、僕にとってここプラハの街であり、この「黄金の虎」というビール屋です。ANAの機内誌「翼の王国」にも記事が出ていましたし、漫画「もやしもん」にも登場しています。

提供するビールはどこにでもあるピルスナーウルケル一種のみ。

Nostalgieと名付けられたチェコ特有のタップが繰り出すクリーミーな泡を使い、一気に、そしてたっぷりと泡を立て、そこに適度な流量の液体を絡ませるように満たしていく。。。注ぎ手の態度はぶっきらぼうで、ジョッキを力強く洗う姿は少々乱暴ですらあるのに、注ぎ出すビールはなめらかで柔らかく繊細、香ばしい麦芽のフレーバーと甘みを引き出し、ホップの苦みと最高のバランス。客はただひたすらこのビールをおかわりし続けます。そう!まさに何杯でも飲めるビール、飲み飽きないビールなのです。

実は「サトウ注ぎ」として提供しているその方法は、このティグラの注ぎ方を日本のディスペンサーと炭酸含有の多いスーパードライ用にアレンジしたものだったりします。(ようは真似です)

前回プラハを訪れてから8年間、ずーっと心の隅にあったのは、こんなプラハの街角にあるような本当にうまいピルスナーだけを飲ませるビール屋を東京でやってみたいという想いでした。
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